Tapeworms – Everything Will Be Fine(2018)

Disc Guide

Label – Self Released 
Release – 2018/01/28 

2017年の夏から冬にかけてレコーディングされた2nd EPは、2018年の1月にリリースされた。

幅が広がった。フル尺のアルバムになるとどんなものが聴こえるのだろうかとワクワクする。

1曲目「Ice Cream」の人工ボイスのサンプリングからMedicine譲りのノイズが広がり、相変わらずポップなノリは健在、楽しい。ノイズの質が前作から格段に上がっている。魂の解放の域に早くも達そうとしている。エレクリックなアウトロもあざとい。

2曲目はそもそもタイトルが 「Medicine」 である。Medicineの音作りを念頭に置くことはシューゲイズ・バンドがノイズにオリジナリティを得る為の近道なのかもしれない。テオ氏のボーカルはまさにシューゲイザー、まあ悪く言えばよくあるタイプなのだが、マーゴット嬢のボーカルが絡むことがこのバンドにとって画竜点睛なのである。MedicineやDrop Nineteensの様な攻撃的な音でポップな曲を演奏した当時のシューゲイズバンドたちと似通うものがある、いや、見まごうても仕方がないほど精度の高い本家取りだ。しかし、レトロスペクティブに終始するわけはない。現代の女性ボーカルのインディーロックバンド、例えばWolf Aliceや羊文学などの様な雰囲気をも同時に持っている。なかなか両立がなされることはない。やはり彼らは才能である。

3曲目「500mg of Aspirin」への入りがもう素晴らしくて仕方がない。それ見たことか、と良いところでキラーチューンをブツ切りにして環境音楽で1曲かけてブレークする。そのアンビエントも一級品で、2枚目のEPですのでお手柔らかに~、などと謙遜しなくても良いだけの幅を見せてくれる。基本的に無名のバンドを聴くと良いと思う基準、ハードルが下がっているのは間違いないのだが、このバンドに関してはそういった忖度をする必要がない。 これが著名なバンドのアルバムであったなら大手メディアが雁首そろえて大絶賛ということもあり得る。

4曲目「Not Sorry」に関しても言うことは変わらない。恐ろしくパワフルなノイズ、どれだけ聴いても飽きないポップでシューゲイズなメロディーが素晴らしい。キラーチューンが無限に作れるバンドなのだ。ファジーなベースラインも中毒を起こしそうなくらい下腹部に響くし(ヘッドホンで聴いていても響く)(バーチャル子宮が揺れる)、エリオット氏のドラムにはどうもロズ・コルバートじみた的中性を感じる。特にノイズの裏で叩かれるシンバルとタムのバランス、今のロズが20年前のRideにいるようではないか。そう、それこそ、Ride辺りの若手を見る目が鋭い大御所のお目に止まってツアーに帯同させてもらったりなんか起こればな、と思う。

5曲目の「Interlude」に関しては、間奏曲との名の通り「Not Sorry」のアウトロをつなげながらフィナーレへのエンジンをふかせる。

6曲目「Fsmooth3」でこの素晴らしいEPも終わる。EPとはいえこれだけの曲をあっという間に感じさせるほどのストーリー性すらも持ち合わせている。彼らは、いくら語っても語り切れないほど素晴らしい音楽を奏でている。改めて、僕は20年代の開幕投手をこのTapewormsというバンドに任せたいと思う。

『Everything Will Be Fine』はSpotifyなどでも聴くことができる。6曲入り、今作も前作同様リーズ のインディーレーベルDirty Slap Records 、加えてパリのBuddy Recordsからもカセットのリリースがある。

text by Mrh

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