Posted on: 2020年1月20日 Posted by: 鈴木レイヤ Comments: 0

Label – Self Released 
Release – 2016/01/15 

サンフランシスコのシューゲイザー・バンド、LSD and the Search for Godの2nd EP。

セルフ・タイトルの1stから9年、彼らがどこで何をしていたか知る者は少ない。まず第一に、LSD and the Search for Godは比較的精力的にライヴを行なっていたことに触れるべきだろう。雲隠れ的なシューゲイザー・プロジェクト、The Telescopesと共に北米ツアーを回り、ギタリストの二人に関してはそのメンバーとしてもステージに上がった。結果的に、その後The TelescopesはLAにてLSDとThe Brian Jonestown Massacreのメンバーと組み、2枚のレコードを作ることになった。『HARM』と『Thrown』である。

The Brian Jonestown Massacreの結成当初からのギタリストであるRicky MaymiはThe Telescopesのメンバーとなり、このEPにドラマーとして参加した。余談でもないが、余談、麗しい歌声のSophia嬢はTashaki Miyakiというバンドで活動していた。黙っていても美女の動向は勝手に調べてくれると期待して大した言及はしないでおく。

各々、様々な活動を経てついに完成した2枚目のEPでも、前作の幻惑的な音色は健在である。The Telescopesとの活動を経て、とっつきづらいカオスなドローン音楽になっていたりもしないので安心して聴いていただきたい。

よくよく考えれば、流行っていない時期にわざわざ時代遅れなシューゲイザーを選んで表舞台で進化してきただけあって、LSDのシューゲイジングは数倍うるさく、強烈だ。改めて今聴けば、このEPはSlowdiveやRideの復帰作を予言していたようにも響くが、音量に容赦がなくサイケデリックな視界に拘ったLSDの方が、結局はシューゲイザーとしてはよりオリジナルに近いのかもしれない。

text:Reiya Suzuki

Author

鈴木レイヤ
鈴木レイヤReiya Suzuki
愛媛県新居浜市大生院出身、タイ王国国立カセサート大学卒業。小説家。主に若者の鮮やかな夢について、魂のこもった熱い人間とその作品について書いています。東京ヤクルトスワローズのファン。