Posted on: 2021年11月10日 Posted by: Sleep like a pillow Comments: 0

pollyが待望の3rdアルバム『Pray Pray Pray』を、2022年2月2日にリリースする。これに先駆け、11月10日より収録曲の先行配信を6作品連続でリリース予定。また、『Pray Pray Pray』のツアー会場限定盤CDが12月11日より各会場にて先行販売される。

コロナ禍以降、バンドとして新たな制作手法、表現を手に入れ、より自由に、より真摯に音楽と向き合ってきたpolly。「Laugher」や「silence」などで既に垣間見えていたように、アレンジや演奏はかつてなく向上。その中で、音楽家としても表現者としても著しく成長を果たしたフロントマン、越雲龍馬のソングライティングが見事に昇華された結果、polly史上最高傑作のアルバムが誕生した。誰もが抱くであろう「失ったものへの再会の希望」をテーマに制作された今作は、pollyのパブリック・イメージであるシューゲイザー、ドリームポップ、ポストロックなどのジャンルに囚われない、より人間らしく、美しい作品だと言えるだろう。

また、本作のレコーディング/ミックスは、pollyにとっては盟友でもあるIvy to Fraudulent Gameのメンバー、福島由也が手掛けた。マスタリングはpollyとしては初の海外にて行われ、NYの名門であるSterling Soundのグレッグ・カルビとスティーヴ・ファローンが担当。グレッグはTame Impala、The National、Bon Iverなど、スティーヴはTaylor Swift、The War On Drugsなどを手掛けたことでも知られる。

そして、先行リリースの第一弾となる「A.O.T.O.」は11月10日より配信開始。Music Videoも同時に公開された。今回もpollyの映像作品を手掛ける番場秀一が監督し、リキッドライトアーティスト、ハラタアツシのライティングを巨大投影した美しい映像と、疾走感のある楽曲とのコラボレーションが見所となっている。

【2021年11月24日追記】
先行リリース第二弾「Light us」が配信開始。ギターのボウイング奏法や、ドラムにレガートを取り入れるなど、新たな手法を導入したスケールの大きな楽曲に仕上がった。

【2021年12月8日追記】
先行リリース第三弾「Life goes on」が配信開始。Sigur Rósをはじめとする北欧の空気をまとったポストロック的アプローチの楽曲となっている。

【2021年12月22日追記】
先行リリース第四弾「窓辺」が配信開始。番場秀一が手掛けたMusic Videoも22:00に公開された。越雲は「窓辺」について、“この曲は新作「Pray Pray Pray」の核です。自分が作った曲で初めて涙しました。僕にとってとても不思議な曲です。愛される曲になるといいなと心から願っております。” とコメントしている。

【2022年1月5日追記】
先行リリース第五弾「Daybreak」が配信開始。越雲は本シングルについて、“J-POP的アプローチをpollyでやってみたらどうなるかというテーマのもと作りました。今まで夜の中を歌ってきて、まさか自分が「夜明け」というタイトルの曲を書くなんて思っていませんでした。よかったらこの曲も愛してあげてください。” と語っている。

【2022年1月19日追記】
先行リリース第六弾「Farewell Farewell」が配信開始。越雲は本シングルについて、“失ったものが現在の自分にどれだけ影響を与えているのか、そんな事を考え書きました。サウンド面ではスケール感をどれだけ広く出せるかをテーマに。面白い曲だなと思っております。時間や心に余裕がある時にでも聴いてください。” と語っている。

なお、弊メディアでは先日、越雲の単独インタビューを実施。『Pray Pray Pray』についてたっぷり語っていただいた。(※2022年2月公開予定)

『Pray Pray Pray』Liner Notes

文=小野島大(https://www.polly-jp.net/pppより)

pollyの進化と成長と変貌に震える。素晴らしいニュー・アルバムの登場である。前作『Four For Fourteen』以来1年ぶり の3作目。だがたった1年という短い時間は、彼らの大いなる覚醒を促すには十分だった。 フロントマンでありソングライターである越雲龍馬に本作の構想が生まれたのは2021年1月ごろ。1年に1枚フル・アルバム をリリースしていきたいという考えはその時からあったという。彼の中でどうしても今すぐ、吐き出して、形にして、表現しなくて はならないものがあったのだろう。デモ段階で34曲もの楽曲があり、そこから11曲に絞り込んだ。

本作の構想の直接のきっかけは、越雲がふとしたきっかけで見た、アイスランドの風景を写した写真だった。その美しさに魅せられ、それに見合うような音像を目指した。具体的には愛犬を失いそうになった時の頭に鳴っていたノイズがこのアルバムの軸になっている。

pollyの音源は2018年以降、つまり『Clean Clean Clean』以降すべて、越雲が全パートのアレンジ・歌を担当している。 今回も同様だが、今回は『Clean Clean Clean』とは逆の発想で、メロディを軸にいかに理想とするサウンドを合わせるかという課題を設けたという。

本作を耳にして一番驚かされるのは、サウンド上の変化だ。とはいえ今作で彼らの音楽の根本が変わったわけではなく、これまでのpollyの繊細さ、美しさ、いびつさのようなものに加えて力強さ、開かれたポップさのようなものが感じられるようになった。唱法も曲調もバラエティに富み、アレンジも音像もダイナミックでメリハリが効いていて、より多くの聴き手に向けてアピールできるような内容になっている。越雲はこの変化が自覚的なものであることを認め、「心の底からpollyの音楽を多くの人に聴いてもらいたいと強く思うようになったから」とコメントしている。かつて私は『Clean Clean Clean』について「繊細で、深く、壊れそうに透明なアルバムである。アーティストの表現の意思が混じりけなく結晶化したような、そんな美しい作品だ」と書いたことがある。今作ではそうして作り上げた珠玉のような作品を聴き手に向けてより開かれたものにしていこうとい う明確な意思が見てとれる。越雲は「今、音数が少ない音楽が流行っていますが、僕自身それにときめかないので、多い音数を無駄なく歌に合わせるかという裏テーマもあり、そこは特にこだわりました」と語っているが、自らの信じる音を突き詰め、 かつ多くの人たちにアピールするという命題のため、エンジニアを代える必要性が出てきた。

本作のレコーディング/ミックス・エンジニアは福島由也。Ivy to Fraudulent Gameのメンバーであり、エンジニアとしても活動する福島はpollyと同世代で、音楽志向も共通点がある。さらに驚いたのはマスタリングをNYの名門スターリング・サウンドのグレッグ・カルビとスティーヴ・ファローンが手がけていることだ。ジョン・レノン、ボブ・ディラン、デヴィッド・ボウイか ら、最近ではテーム・インパラ、ザ・ナショナル、ボン・イヴェールなどを手がけるグレッグ、テイラー・スウィフトやウォー・オン ・ドラッグスなどを手がけたスティーヴとも、業界を代表する大物エンジニアであるが、越雲が好きなアルバムの多くをふたりが手がけているのが決め手となった。作業にあたってはスケール感やダイナミクスを失わないようにお願いして、あとはすべてお任せだったが、思い描いていた音が返ってきた、という。

本作のタイトルは『祈り』である。そこには「大切なものが永く続きますように。終わってしまった後、いつかまた出会えるように」という思いが込められている。

越雲は2018年に親友を亡くし、今年になって祖母を亡くした。2015年に幼い頃から共に過ごしてきた愛犬を亡くしてから、「死」というものが身近に感じられるようになっていた。さらにコロナ禍という前代未聞の事態の中での制作ということもあって、「失うこと」への恐れをよりリアルに感じるようになった。だからこそ今、身近にある大事なものをもっと大切にしていきたいという思いが募ったという。若くしてこうした死生観を持つことが、本作の制作に大きな影響を落としたことは想像に難くない。本作ではそうして失ってしまったさまざまなものへの愛や執着、別れや喪失の悲しみや空虚感が歌われている。それはpollyの表現に常に漂っていたものだが、今作は最終的にどこか希望を感じさせるような内容になっている。別の道を歩んでも、いつかまた出逢える。その淡く瞬く光が本作の最大の特徴であり、美点でもあると思うのだ。それが聴き手の心を浄化し、勇気づける。

その結果本作では「自分のやりたい音楽、書きたい言葉をちゃんとアウトプットできた」と越雲は言う。「今作がpollyのスタンダードになるような作品だと思っています。僕個人としてはこれが遺作になっても悔いはないです」とまで言い切る自信作が、『Pray Pray Pray』である。

もちろんどんなアーティストであれ、渾身の作品を作りあげたときは「これが最後でも構わない」という思いだろう。だがそ れ以上に本作に賭ける越雲の、pollyの気迫には圧倒される。これはバンドにとって決定的なメルクマールとなる傑作だ。かつてなくポップで、力強く、深い新生pollyサウンドは私たちの前で申し分なく開かれ、そして美しく鳴っている。

Release

■ polly – Pray Pray Pray

「失ったものとの再会への希望」
11曲が紡ぐ儚さと壮大さが同居した美しいサウンドスケープ。polly初の海外マスタリング作品。

Label – 14HOUSE.
Release – 2022/02/02

1. Laugher (feat.志水美日)
2. Light us
3. A.O.T.O.
4. 窓辺
5. Daybreak
6. 愛している
7. one
8. Farewell Farewell
9. Yours
10. Life goes on
11. silence (remaster)

14HS-1014
¥3,000 (tax in)

先行配信/MV

■ A.O.T.O.

Release – 2021/11/10

ストリーミングは下記リンクより
https://friendship.lnk.to/AOTO

「A.O.T.O.」Music Video


■Light us

Release – 2021/11/24

ストリーミングは下記リンクより
https://friendship.lnk.to/Light_us


■ Life goes on

Release – 2021/12/08

ストリーミングは下記リンクより
https://friendship.lnk.to/Life_goes_on


■ 窓辺

Release – 2021/12/22

ストリーミングは下記リンクより
https://friendship.lnk.to/BalloonFlower

「窓辺」Music Video


■ Daybreak

Release – 2022/01/05

ストリーミングは下記リンクより
https://friendship.lnk.to/polly_Daybreak


■ Farewell Farewell

Release – 2022

ストリーミングは下記リンクより
https://friendship.lnk.to/FarewellFarewell

Live

■ polly tour 2021-2022「Pray Pray Pray」

2021/12/11(土) 千葉 LOOK
w/ユレニワ、mother

2021/12/18(土) 札幌 SOUND CRUE
w/?

2022/1/7(金) 広島 4.14
w/クレナズム、MO MOMA

2022/1/8(土) 福岡 OP’s
w/MO MOMA

2022/1/10(月祝) 京都 GROWLY
w/EASTOKLAB、mother

2022/1/28(金) 名古屋 CLUB UPSET
w/さよならポエジー、Newspeak

2022/1/29(土) 大阪 SOCORE FACTORY
w/さよならポエジー、Panorama Panama Town

2022/02/06(日) 渋谷WWW
TOUR FINAL ONEMAN

※『Pray Pray Pray』ツアー会場限定盤CDを12/11より各会場にて先行発売

Profile

polly(ポーリー)※L→R

Guitar / Synthesizer:
飯村悠介 Yusuke Iimura

Bass:
須藤研太 Kenta Sutou

Vocal / Guitar / Programming:
越雲龍馬 Ryoma Koshikumo

Drums:
高岩栄紀 Hideki Takaiwa

越雲龍馬を中心に2012年宇都宮にて結成された4人組。 海外の様々なジャンルを消化したサウンドとJ-POPにも精通する耳馴染みの良い メロディを軸とし、リリース毎に変化を見せている。2015年6月、DAIZAWA RECORDS / UK.PROJECTよりデビュー。2020年9月には自主レーベル、14HOUSE.(フォーティーンハウス)を設立。

Official Site:https://www.polly-jp.net/
Twitter:https://twitter.com/polly__jp
Instagram:https://www.instagram.com/polly_jp/
公式LINE:https://page.line.me/polly-jp
YouTube Official Channel:https://youtube.com/c/pollyofficial

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