北海道 / 東京を拠点に活動する2ピース・バンド、flip-flopsが2nd EP『…counting stars, sometimes for hours, sometimes in passing – EP』をリリースした。
本作は、2025年12月から2026年8月という、flip-flops史上最も長い期間をかけて作り上げた作品。5月から7月にかけてのシングル先行リリースを経て、ここにEP本編が完成した。
先行リリースされていたタイトル・トラック「…counting stars, sometimes for hours, sometimes in passing」は、シューゲイズを土台に、ParannoulやForsaken Autumn、what is your name?といったアーティストの美学を取り入れながら、flip-flopsならではの感情の振れ幅を音に落とし込んだ1曲。荘厳で瞑想的なアコースティック・ギターから、歪んだドラムと鋭いギターが一気に入り込む大胆な展開が印象的。ミニマルな構成の中で、1つのギター・リフが様々な表情を見せる、ノイジーでありながら詩的な楽曲となっている。
EPは、“星を数える” という行為に “大切な人を想う” ことや “孤独” を重ねるという隠喩的なアプローチと、“曲名に数字を入れて並べる” という視覚的な遊びから生まれた。孤独というテーマ(社会や人間関係、友人、コミュニティの中で上手く生きられない不安感)を単なる暗さではなく、多くのエネルギーを秘めている美しい状態として表現している。その状態と感情の矛盾を音として表現するためにも、メロディとコード進行はどこまでもポップで耳に優しく、それでいてヴォーカルと歌詞表現には意図的に虚しさと儚さを帯びさせている。この対比により、聴き手は “心地良さ” と “不安感” の間で揺らぎ続ける体験をすることになる。それがこのEPの本質だ。
さらに、このプロジェクトで最も力を入れたのは、ジャンルの横断具合である。タイトル・トラック「…counting stars, sometimes for hours, sometimes in passing」はシューゲイズの影響を感じさせる色濃いギター・ロックで開幕。しかし直後から、エレクトロニック、ダンス、ハイパーポップ、Alt-Pop、フューチャー・ガラージ、Botanica、ハウスなど、ロックとは離れたジャンルを舞台に、それらをバンド・スタイルと混ぜ合わせながら流動的な音景が展開していく。バンド的な “実存感”(演奏の物理性、人間の触感)とエレクトロニックな “浮遊感”(ネットの世界、デジタルの無重力性)という両極の往来をシームレスに行き来することで、現代の不安感、言葉にできない感情が持つエネルギーの大きさ(アナログとデジタルの不均衡)をそのまま表現している。にも関わらず、全曲を貫くのはflip-flopsらしさである。ジャンルに従うのではなく、ジャンルを “使う” という自由度が、このプロジェクトの核心だ。
10曲で構成されるこのEPは、数字を隠喩に含んだトラック群──「okay, okay」「一息で星の向こう」「2more」「(2.4ghz)」「3nough?」「4bout you」「5till waiting (feelsuckduh!!)」「6ye」──を経て、最後はプロキオン(おおいぬ座の一等星)の座標「7h39m18s, +5°13’30″」で幕を閉じる。EPという1つの世界を、孤独感、美しさ、ジャンルレスな音響表現を通じて、聴き手の心に深く刻み込みたい。
■ flip-flops コメント
こんにちは
我々の2nd EP「…counting stars, sometimes for hours, sometimes in passing – EP」がリリースされました。
当初は5、6、7月の連続リリースともう1曲をまとめた4曲のEPでリリースする予定でしたが、作っているうちに制作にのめり込んでしまい気がついたら10曲も出来上がっていました。「せっかくだから出しちゃえ」と思い、アルバムさながらの曲数でリリースすることに。
伸び伸びと、固定概念に囚われることなく、とにかく面白そうな音楽を集合させたら完成したような作品です。
楽しい時、悲しい時、辛い時、あなたの色々な感情に寄り添えることを願っています。
■ Release

flip-flops – …counting stars, sometimes for hours, sometimes in passing – EP
□ レーベル:Self Released
□ 仕様:Digital
□ リリース日:2026年9月23日(水)
□ トラックリスト:
1. …counting stars, sometimes for hours, sometimes in passing
2. okay, okay
3. 一息で星の向こう
4. 2more
5. (2.4ghz)
6. 3nough?
7. 4bout you
8. 5till waiting (feelsuckduh!!)
9. 6ye
10. 7h39m18s, +5°13’30
■ Profile

flip-flops
北海道 / 東京を拠点に活動する2ピース・バンド。US発祥のミッドウェスト・エモをリスペクトしながらも、独自の音楽性を掛け合わせることで、新たなジャンル “Far-east Emo” を提唱。2022年の活動開始以降、ジャンルレスかつボーダーレスな楽曲制作を軸に活動を続けている。近年はエレクトロやハイパーポップの要素も積極的に取り入れ、ミッドウェスト・エモを基盤にしながら、よりデジタルかつ実験的なサウンドへと進化を続けている。milano(Gt.)による鋭く無機質なギター・リフと、daijiro(Vo.)のノスタルジックなメロディが混ざり合うことで、最先端でありながらもY2Kを想起させる独自の世界観を構築。さらに、ミキシング、マスタリング、アートワーク、ミュージック・ビデオなど制作工程のほぼ全てをインディペンデントで手掛けることで、統一感のあるサウンド・デザインとヴィジュアル表現を確立している。
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