Labal – n_ingen record
Release – 2015/06/03
関東を中心に活動するノイズポップ/シューゲイザー・バンド、死んだ僕の彼女による1stアルバム。
『Ixtab』にも見られたバンドの死生観やヘビー・ミュージックの影響を感じさせるダークなサウンドと世界観は今作で更新と飛躍を見せており、ヴォーカルの独創的な和声や手数が多いドラムのフレーズに垣間見える入念に練り込まれたアレンジには目を見張るものがある。また、ポップでメロディアスかつノイジーなギターや儚く叙情的なボーカルと、死/喪失/別れを感傷的に歌う詩世界の鮮烈な対比が、九相図のような「生から死への変化と喪失」というコンセプトを持ったアルバムの核になっていると思われる。全編を貫く悲愴とゴシック性、メランコリーと儚さがシューゲイザーの幻想性と調和して生まれた陶酔とカタルシスに酔わされる一枚。
text by aro
Author
- 大阪を拠点に活動する音楽ライター/歌人/レーベル主宰者。Sleep like a pillowでの執筆や海外アーティストへのインタビューの他、遠泳音楽(=Angelic Post-Shoegaze)レーベル「Siren for Charlotte」を共同オーナーとして運営し、主宰を務める短歌同人「天蓋短歌会」、詩歌同人「偽ドキドキ文芸部」にて活動している。好きなアニメはserial experiments lain、映画監督はタル・ベーラ。
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