Posted on: 2020年2月18日 Posted by: 對馬拓 Comments: 0

Label – EMI Records 
Release – 2015/11/11 

アルバムとしてはメジャー1作目となった本作。

前作で開花したポップ路線を引き継ぎ、全体的によりあたたかみを帯びた普遍的とも言える曲の数々を展開。当時、この大胆な作風の変化に戸惑う初期からのリスナーは多かったが、行儀良くシューゲイズ・サウンドを突き詰めていくことは彼らにとってはむしろネガティヴなものであり、自分たちの心境をダイレクトに反映させたが故の普遍的なサウンドだった。ストリングスとピアノを導入した「猫とアレルギー」や、歌謡曲テイストの「スカルプチャー」など、新境地とも言えるような曲の数々が並ぶ。

特筆すべきは「怪獣の腕のなか」の”あなたを悲しみから守りたい”、”あなたを暗闇から連れ出したい”という一節だろうか。かつて「春と修羅」で”あいつをどうやって殺してやろうか”と牙を剥き出しにしていた彼らが、”もう、傷つけるための刃など/あなたには必要ないんだよ”と手を差し伸べている。数々の絶望を乗り越え、確かな希望を手にした記念すべき瞬間だ。

text by osushitabeiko

Author

對馬拓
對馬拓Taku Tsushima
Sleep like a pillow主宰。札幌出身。音楽ブログの運営、ディスクユニオンのスタッフなどを経て、現在はライター/編集者が本業。主な実績は、揺らぎ、SPOOL、pollyなど国内シューゲイザー・バンドへのインタビュー、Tapeworms『Funtastic』ライナー執筆など。座右の銘は「果報は寝て待て」。