Posted on: 2020年2月27日 Posted by: 對馬拓 Comments: 0

Label – Tough Love Records 
Release – 2016/02/05 

ロンドンを拠点に活動するUlrika Spacek(ウルリカ・スペイセク)のデビュー・アルバム。その不思議な響きのバンド名の通り、サウンドも実に不思議な魅力を放っている。

トリプル・ギター編成による綿密なアンサンブルは、時にビリビリと空間を破り去り、また時に危険な酩酊感を醸し出す。ゆらゆら揺蕩うように立ちのぼっていくヴォーカルもクセになりそうだ。そのサウンド・メイキングはまさにDeerhunterやSpacemen 3を経由したサイケデリック・ロックであり、コード・ワークの面ではSonic Youth的な要素も見え隠れする。全編に渡って極度に乾燥した音像を展開しており、最後まで聴き終える頃には喉がカラカラに渇いてしまいそうなほどだ。その飢えを癒すために再び最初から聴き始めようとするほど倒錯的な魅力があるのでさらに悪循環である。

とは言え、インディーロック・バンドのような親しみやいフレーズも随所に散りばめられ、ポップであることも忘れない。1作目にしてバンドのアイデンティティが確立された重要作。

text by osushitabeiko

Author

對馬拓
對馬拓Taku Tsushima
Sleep like a pillow主宰。札幌出身。音楽ブログの運営、ディスクユニオンのスタッフなどを経て、現在はライター/編集者が本業。主な実績は、揺らぎ、SPOOL、pollyなど国内シューゲイザー・バンドへのインタビュー、Tapeworms『Funtastic』ライナー執筆など。座右の銘は「果報は寝て待て」。