
正体不明のシューゲイズ・デュオ、The Otalsが主催するスプリット・アルバム『夏のルール4』が2025年6月25日(水)にリリースされる。
本シリーズ『夏のルール』は、参加する各アーティストが “夏” という一つのテーマに基づき、新曲を中心に持ち寄ることで形作られるスプリット・アルバム。インターネット上を中心に活動し、現在ワンマン・ライブのみを開催するThe Otalsは各シーンとは全く交流がなく、文字通り各アーティストに突然直談判することで招聘してきた。“分断されたシーンを横断する” ことを掲げるThe Otalsによる、“本来交差しないシーンのパッチワーク” を実現するのが本作だ。
今回の『夏のルール4』は、東京のライブ・シーンを中心に規模を拡大し続ける新進気鋭のシューゲイズ/ドリームポップ・バンドのBeachside talks、電子音とノイズの中を揺蕩う、儚くも力強い歌声とハーモニーを強みとする宅録ユニットのiVy、あまりにも情報が少ないながらも作品の質によりインターネット上で早耳リスナーたちの間で注目されるローファイSSW、行為者の3組が参加。さらにThe Otalsの楽曲には声優の加藤里保菜とクラブDJのLioが参加し、まさしくカオス極まるラインナップ。無理矢理で急拵え、とってつけたようなお題目に沿って集まった個性豊かな4組が “夏” というたった一つの共通認識を元に形作る、前代未聞の歪なスプリット。ちょうど青春映画の冒頭のワンシーンのようにも見えるかもしれない。
なお、本作より「ロリータ田舎に生まれ」が先行配信中。田舎電車の車窓から見えた “田園の中をママチャリで走るロリータファッションの女性” の姿にインスピレーションを受けた本作は、ポップなメロディーと突き抜けるような爽やかなハーモニーの一方、ハイパーポップ調の存在感の強いシンセサイザーが、スウィングしたフィジカルなリズムのバンド・サウンドにそっくりそのまま載せられているという、ポップさと歪さを持った独特な存在感の楽曲。目を引く楽曲タイトルが象徴する通り、アンバランスに見える二つの要素をマッシュアップすることが随所に意識されており、前述のハイパーポップとバンド・サウンド、さらにはThe Otalsというインディー・バンドと、声優/女優として活躍する加藤里保菜の組み合わせはそのまま “田舎” と “ロリータ” にメタファーとして投影されている。
■ The Otals コメント
よし! もう、ぜんぶめちゃくちゃ! どこのシーンにも所属してないし、誰とも友達じゃない。それはちょうど『合言葉も知らないし、地図も忘れてきた、靴下は左右で違うし、寝癖は針金みたい!』といった風態で大通りをぶらついているようなもので、本来私たちは、到底見ず知らずのアーティストたちに信頼されるような存在ではないのです。にも関わらず、私たちのスプリットに大事な音楽を預けてくださったこと、一緒に音楽を作ろう!と言ってくれたこと。参加してくださった皆様に本当に本当に感謝しています。
この『夏のルール』は本来程度の差こそあれど、閉じているハズの “シーン” を横断することを目的にしたスプリットです。聴いてくださる方にとって、新しい好きなものが見つかるキッカケになったら、と思っています。ミーハーでも、にわかものでもいいのです。すくなくとも、私たちは聴いてくれて嬉しいよ。
■ iVy コメント
架空@シ毎レニぇ車れ去っτ
僕カゞ無<ナょ丶)ξぅ
卩方シ皮土是レニ寝車云ωτ″
君を想ぅょ
幺フι″ゃナょ<τも矢ロ丶)ナニレヽ
春にして君を離れ でThe Otalsの音楽に出会い、
夏に邂逅することができてとても嬉しいデス
気づいたら過ぎ去っていても
肌寒くなって恋しくなっても
今年の夏を忘れない
■ Beachside talks コメント
『夏のルール4』にお誘いいただきありがとうございます! The Otalsには楽曲の音楽性、ルーツ、ムードにシンパシーを感じていたので大変嬉しく思っています。
参加曲として「Big Sky」へのアンサーソング「Teenage Summer Lovers」を書き下ろし、参加アーティストやテーマに沿って「sign」「Big Sky」を選曲しました。
今作は各アーティストの個性的な夏の解釈が惜しみなく現れています。またスプリット・アルバムという立ち位置に留まらず、誰かにとっての大切なアルバムになる可能性を秘めていると思います。
■ 行為者 コメント
『夏のルール4』に参加できて大変光栄に思います。ありがとうございます。
聴いていただいた方々にとって夏を彩るアルバムになれば幸いです。
以下 、曲についてです。
①臨海公園
行為者の聖地である築港臨海公園について書いた曲です。
②マジうざい
生きていくのがめんどくさいという気持ちを曲にしました。
③終わらない夏
夏のせいにしたがる世の中のサマーソングへのアンサーソングです。
■ Release

The Otals – 夏のルール4
□ レーベル:Blue Moon Garage
□ 仕様:Digital / CD
□ リリース:2025/06/25
□ トラックリスト:
1. マイ・ロリポップ・ナイトメア / The Otals
2. ロリータ田舎に生まれ / The Otals + 加藤里保菜
3. チートコードは給水塔 / The Otals
4. ノーティカルマイル / iVy
5. 声にならない言葉で / iVy
6. Teenage Summer Lovers / Beachside talks
7. sign / Beachside talks
8. Big Sky / Beachside talks
9. 臨海公園 / 行為者
10. マジうざい / 行為者
11. 終わらない夏 / 行為者
*先行シングル「ロリータ田舎に生まれ」配信リンク:
https://linkco.re/9FDxh1fN
■ Profile

The Otals
June FAXxxxxx(ジューン・ファックス)と Marina Timer(マリーナ・タイマー)の従兄妹2人によるシューゲイザー・デュオ。2021年3月に突如としてWeb上にて活動を開始。ほとんど口コミのみで規模を拡大し続け、わずか2回目のライブ公演で新代田FEVERでのワンマンライブをソールドアウトさせた。メンバーには目を引くカートゥーン調のアートワークのキャラクターがクレジットされ、依然として正体不明のまま活動を展開中。
ささやくようなヴォーカルにリヴァーブやファズ・ギターを多用したシューゲイザー的なサウンドを核としながらもその様式美に縛られず、ダンスやエレクトロ、さらにはエモやポップ・パンクなど、さまざまなジャンルを取り込み、独自路線のインディー・ポップに昇華し続ける “世界一とっつきやすいシューゲイザー”。


Beachside talks
2017年、大学の軽音楽サークルで知り合い結成されたシューゲイズ/ドリームポップ・バンド。2022年、デジタル・シングル「海辺の話」の配信を皮切りに活動を本格化。2023年、1stミニアルバム『Marble Town』をリリース。国内外問わず多数の音楽リスナーから高評価を得る。2024年、SNSなどで大きな反響を呼んだ「Big Sky」を含むデジタル・シングルを4曲配信し、ライブ活動も精力的に行う。
2025年、初のフルアルバム『Hokorobi』をリリース。メンバー全員が作曲活動に関わり、明るく穏やかで温厚な性格に隠された諦念、喪失、感情の吐露によって溢れ出したカタルシスをシューゲイズ/ドリームポップにとどまらず、R&B、UKガラージ、グランジ、ポスト・パンクなど多様なジャンルを織り交ぜて表現。

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