Posted on: 2023年6月7日 Posted by: Sleep like a pillow Comments: 0

大阪・箕面を拠点に活動する男女シンセ・ポップ・デュオ、Still Dreamsが初の全曲日本語詞によるミニアルバム『Nerve』を7月12日にリリースする。本作は2022年7月発表の前作『New Life』(3rdアルバム)に続き、自主レーベルとして立ち上げたBe Here Now Recordsからのリリースとなる。

これまでのStill Dreamsは、80’sポップスやドリームポップ〜シンセポップ、SF小説、TVゲームなどの影響を受けたコズミックでドリーミーなサウンドを追求し、歌詞も英語で歌ってきたが、『Nerve』はそのイメージを軽やかに覆す。サウンドはこれまで以上にエレクトロ・ミュージックへ傾倒、歌詞は全て日本語で綴られている。

日本語詞については、かつて2人が所属していたドリームポップ/シューゲイザー・バンド、Juvenile Juvenileの時代から見ても初の試みとなる。2019年に中国でツアーを敢行し、2021年にはスペインの名門レーベル、Elefant Recoardsからミニアルバム『Make Believe』をリリースするなど、これまで何度も海外との繋がりを持ってきた2人。しかし、パンデミック以降は海外でのライブが難しくなったこともあり、もっと日本国内の人にも自分たちの音楽を聴いてほしいという気持ちが芽生えた。そうして、2021年頃から少しずつ日本語詞による楽曲の制作を進めてきたが、『Nerve』はそうした2人の想いが込められた集大成としての作品でもある。

どこかレトロな雰囲気の四つ打ちシンセ・サウンドに乗せて〈ふつうのしあわせ 見えなくても いけるような気がしてる〉と希望を歌う「ふつうのしあわせ」。一転して「たくらみ」ではチップ・チューンに高速ハイハットを搭載したようないたずらっぽさを見せる。続く「空想の先」ではテクノポップ、ドリームポップ、ハウス・ミュージックを螺旋状に往来し、勢いそのままにディスコライクな「拙い魔法」で孤独なワンルームを一夜限定のダンスフロアへと変えていく。そしてトランス〜EDMのStill Dreams流コズミック解釈とも言えるアンセミックな「夜は旅」を経て、苦楽を共にしてきた夫婦としての2人のソウルが〈僕らの理想 全てこの場所にある〉と言わしめるラブソング「このままでいいよ」で本作は幕を閉じる。

また、グラフィック・デザイナー/ヴィジュアル・アーティストとして活躍するKURODA(KANG SIGH HYPER CREW)が制作した「たくらみ」のミュージック・ビデオも公開される。ヴォーカルのMaaya Wachiが発行している学校新聞風のオウンド・メディア「Dream Express」から飛び出したようなキャラクターが3D化され、チップ・チューンのサウンドとも呼応する、まるでSteamで売られている海外のインディー・ゲームのようなチープでかわいらしい仕上がりとなっている。

どこかジャポニズム的意匠も感じさせる本作のアートワークは、メロディック・パンク・バンド、What Goes Upのギター/ヴォーカルで東京在住のIngrid Eliasによる描き下ろし。

キュートで人懐っこい、というStill Dreamsのアイデンティティは健在で、むしろそのポップ・センスは別次元へと足を踏み入れた感触すらある。キャリアにおける重要な転換点にして、新境地と言うに相応しい意欲作がここに完成した。

■ Release

Still Dreams – Nerve

□ レーベル:Be Here Now Records
□ 仕様:Digital
□ リリース:2023/07/12

□ トラックリスト:
1. ふつうのしあわせ
2. たくらみ
3. 空想の先
4. 拙い魔法
5. 夜は旅
6. このままでいいよ

*配信リンク:https://lnk.to/stilldreams_nerve

■ Profile

Still Dreams

大阪・箕面のRyuta WachiとMaaya Wachiの夫婦2人によって2016年に結成されたシンセ・ポップ・デュオ。 これまでに3枚のアルバム『Theories』『Lesson Learned』『New Life』と、ミニアルバム『Make Believe』をリリース。2019年には中国ツアーを行い、2021年にはフィリピンの音楽カンファレンス「Sonik Philippines」のオンライン・ショーケースでのライブや、『Make Believe』をスペインの名門レーベル、Elefant Recordsからリリースするなど、国内外で活動を展開。また、Maayaが手掛ける学校新聞風の月刊オウンド・メディア「Dream Express」による情報発信も行っている。