Posted on: 2023年4月30日 Posted by: 對馬拓 Comments: 0

■ 社の一大プロジェクト

── 今回は事前に共有してもらったように、エクセル(スプレッドシート)の進行表を使ってレコーディングをしたと聞いています。導入するきっかけや理由を教えてください。

Kntr:まず、デモというか曲の土台の時点では、Ableton LiveっていうDAWのソフトをメンバーみんなで使ってて。それをベースとして実際の音にしていくのがレコーディングの作業なので、DAWの画面に近づける形でエクセルで管理しよう、というのが始まりです。

miraco:揺らぎの曲は構成が割と複雑で、俗に言うJ-POPみたいに「A/B/サビ/A/B/サビ/C/サビ」みたいな感じではないし、パートごとに重ねる楽器が多いからそういう情報を整理したくて。今まではギター、ベース、ドラム、それぞれのパートの人だけが主導権を握って管理してる状態だったけど、「見える化した方がいいよね」ってことで。昔は紙に書いたりはしてたけど、データとして残していこうって感じですね。Googleドライブに感謝です。

Kntr:自分らの頭では処理しきれなくなった、っていうのもあるよね。

miraco:それとも自分たちの脳の老化なのか……それは分かんないですけど。笑

Uji:言葉だけの共有に比べたら、自分のパート以外のことが視覚的に分かるとレコーディングの動きやすさが全然違ったので、特にドラムとベースはすごく助かりましたね。「ここは今からギターが4本重なるから」みたいに、細かく全体像を確認しながら進められたので。

miraco:もちろん、今までもみんなで各パートを相談しながら決めたりしてたんですけど、あの表ができたことで“自分ごと”として認識できるようになって。意識改革ができて良かったと思います。

Yusei:明らかに時間短縮になってるよね。ごちゃごちゃしない。

miraco:エンジニアさんとサブ・エンジニアさんにも表を共有して、一緒に進行していく感じで。

Uji:エンジニアさんからしても、例えば「このアンプと音色を重ねるなら、ここはギターを1本減らして……」みたいなフィードバックがやりやすかったんじゃないかな。揺らぎのレコーディングって、時間をかけて色々その場で変えたりするので、そのやり取りをエンジニアさんともスムーズにできたっていう意味では、あの表の役割はデカかったと思います。

Yusei:レコーディングの提案書みたいな感じやな。効率を求めて。

Uji:ほんまにそうやね。

── まさに会社ですね。

miraco:“社の一大プロジェクト”をみんなで完遂してる感じ。社会人スキルが活かされてます。笑 会える時間が短いからこそ編み出された技というか。他のバンドってこういう進行表みたいなの作ってるのかな? 見てみたい気もするけどね。

Kntr:いるだろうけどね。でも我々はGoogleドライブ有料プランですから。

miraco:100ギガバイト契約しました。

Kntr:本気度が違います。笑

■『Here I Stand』全曲解説

── じゃあ、このまま進行表を見ながら曲ごとに話していきましょうか。

miraco:見てもらったら分かるんですけど、「どのアンプで、どのギターで録ったのか」っていう組み合わせが全部書いてあるので面白いと思います。アンプは6種類あって、ギターがテレキャス2本、レスポール、ストラト、ジャガーの5種類。なので30通りの組み合わせがありますね。

M1. Here I Stand

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1gi0rXbbzBmZNZsqXbDqFdjnFtdLZJOCk/edit#gid=943405032

── 枯れたようなギターの音が、渋すぎて超良いなって思いました。あと、この曲がアルバムの中で一番長いですね。6分50秒。

miraco:6分って揺らぎにしたら割と普通というか、ありがちな長さですけどね。逆に短い曲が珍しい。

Uji:この曲は、楽器が重なってる部分とそうじゃない部分の差が面白いと思いますね。

── 確かに。緩急というか、しっかり場面転換がありますね。

miraco:ギターは最大で7本重なってる。構成を決めるのに時間がかかった記憶があるな。

Kntr:デモの段階ではそんなに作り込みすぎてなかったよね。コードだけ持っていって、「さあ構成考えましょう」っていう作り方をしたから、ある種アルバムの中でも特に揺らぎっぽいのかもしれない。

miraco:「スロウコアやな」って言いながら作ってたんですけど、リリースしたら案の定「スロウコアだ」って言ってる人が結構いたから嬉しかった。笑

Kntr:この曲を1曲目にしたのは、インパクト重視っていうのもあるんですけど、最初に「ここにいるよ」的なメッセージを発したかった、という理由もあります。先行シングル第1弾で久々のカムバック曲でもあったので、「揺らぎはまだここにいるよ」っていうメッセージを込めてますね。

M2. Falling

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1gi0rXbbzBmZNZsqXbDqFdjnFtdLZJOCk/edit#gid=255729062

miraco:1行目に何小節なのか書いてあると思うんですけど、気持ち悪い数字なんですよね。

Yusei:普通は4の倍数とかよな。

Kntr:2Aの“19”とか気持ち悪いよな。

Uji:かんたろう以外の関西メンバーでスタジオに入って初めて合わせた時、批判の嵐でしたね。笑

Kntr:miracoにコードだけ教えて、「次3人でスタジオ入る時にちょっと合わせてみて」って伝えて。そのスタジオの最中に「これ意味が分からん」っていうLINEが来たのは覚えてる。

一同:笑

Kntr:初見ではメンバーを困らせた曲ではありますが、結果的に満足のいく曲になったと思います。

miraco:面白い曲ですね。

── 意外とさらっと聴けちゃうけど、よく聴いたら変だな、っていう面白さ。

Kntr:変な小節数の気持ち悪さが重なって、それが心地良さに変わっていくような曲なのかな。

Yusei:やってて楽しいよな。

miraco:うん。間違えたら悲惨やけどな。

Uji:僕はこの曲がアルバムの事実上の1曲目だと感じてますね。「Here I Stand」はあるんですけど、アルバムのスタートという意味で大きな役割を持つんじゃないかなと勝手に思ってます。

miraco:歌詞も鬱々としてて。私が調子悪い時に体感したことを歌詞に落とし込んでます。

Kntr:あと、アコギを入れてますね。バンド・サウンドの中にアコギを入れるっていうのは揺らぎとしては初めてで。全盛期のオルタナティヴ・ロックみたいな印象になったと思います。

M3. I Wonder

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1gi0rXbbzBmZNZsqXbDqFdjnFtdLZJOCk/edit#gid=581226208

Kntr:シートに違和感があると思うんですけど。笑 miracoにギターを弾いてもらう想定で曲を作ってたんですけど、まあ、諸事情により弾かないことになりまして。笑

miraco:笑

Yusei:体調が悪かったのかもしれないな。

Uji:この試合はスタメンではなかったということですね。

Kntr:作り手の狙いとしては、ひずんでないクリーンなサウンドなんだけど、みんながイメージするようなシューゲイザーを聴いた感覚になる曲になればいいなと思って、そういうサウンドメイクを意識しました。

miraco:ここまで全面的にクリーン・ギターを押し出してる曲は初めてかもね。

Kntr:フェードアウトを導入したのも初めてかな。

── 細かい部分で初めての取り組みがありますね。

Kntr:意図的にやってる部分が多いです。

M4. You’re Okay (Hold Me)

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1gi0rXbbzBmZNZsqXbDqFdjnFtdLZJOCk/edit#gid=549147398

miraco:シェイカーむずかったんやろ。

Yusei:シェイカーね。

Kntr:この曲、Yuseiさんのタンバリンとシェイカーが入ってるんですけど、レコーディング風景が面白かったよね。Yuseiさんがめっちゃ苦戦してるのを3人で観ながらキャッキャ笑ってた。笑

一同:笑

miraco:最初は本当に下手くそだったんですよ。笑

Yusei:シェイカーもタンバリンもやったことなかったからな。できるやろ、と思ったら全然ダメで。

── 入れようと思ったきっかけは?

Yusei:そもそもInterlude的な曲にして、ライブではやらないでおこうみたいな話やったから、バンドだけではできないことをやってみようと思って入れた気がします。

Kntr:現行のオルタナっぽい曲になったと思いますね。USインディーというか、Run For Coverとかその辺の感じがします。

── 確かにUSインディー感ありますね。アルバム全体にも言えそうなところですけど。

Uji:こうやって見ると色々やってるな。ベースで言うと、かんたろうに「タオル挟んでください」って言われて、弦と本体の間に手拭いみたいなのをぶち込んで弾いてるんですよ。

Kntr:ミュートしてるみたいなベースの音が欲しくて。

Uji:音が伸びないようにしてね。

Yusei:あと、この曲だけドラムセットが違う。Ludwigのヴィンテージのドラムを使ってて。あんまり太くない音って感じかな。

M5. Worthy of..

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Kntr:確か一番最後にできたよね。もうすぐレコーディングっていうタイミングで、ふと思いついてデモを作って、関西組に投げてスタジオで合わせて。

── この曲は特にギターが重なってて、笑顔になりました。

一同:笑

Kntr:最大で9本重なってるのか。

miraco:しかも、鬼のJCM2000祭りっていう。

Kntr:モダンな歪みというか、2000年代のちょっと激しめなインディーの要素が欲しかった。その辺のインディーって、一般的なシューゲイザーと近い気がするんですよね。例えばDeftonesとか、曲によってはかなりシューゲイザーっぽいじゃないですか。なのでその辺をリファレンスにして、このアンプにしたっていう。

miraco:ギターは私のお父さんのレスポールを使ってるんですけど、この曲のためにわざわざメンテに出して。

Uji:その価値はありましたね。

Yusei:レスポールの強みが出たな。

miraco:父も喜んでました。

Kntr:弾いてるリフも、オク上とオク下で重ねてオクターバーみたいな響きを狙ったりとか。これも新しい取り組みですね。

Uji:今までの揺らぎのギターは、ひずみの重なりが広がっていくイメージがありましたけど、この曲のひずみは重なってるけどソリッドというか、鋭いイメージがあって、そこはギターの使い分けの影響が出てると思ってますね。

miraco:この曲はヴォーカルが難しかった記憶があります。もちろんヴォーカル・ラインを作ってるのは自分なんですけど、今までにない歌い方というか、テンションが全然違う。分かりやすく言うと張り切ってる。そういうヴォーカルの曲って今までなかったので。あとは、ラジオヴォイスっぽくなる類のエフェクターをかけたりとか。今までのおしとやかな感じとはちょっと違いますね。

M6. Lost Sight of You

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Kntr:一番古い曲かな。ギター、ベース、ドラム、スナップ(指パッチン)っていう、超シンプルな曲で。次の「The More I Feel」の導入曲なので、その長いイントロっていうイメージ。

── 元々その2曲は繋げる前提だったんでしょうか?

Kntr:「Lost Sight of You」が出来た時、次の「The More I Feel」も同じコードを使って作ったらいいんじゃないか、っていうアイデアが出ましたね。

── 2022年のCRAFTROCK CIRCUITでもこの2曲を続けて演奏してて、それがすごく印象的だったんですよね。歌詞にもストーリーというか、心なしか繋がりがあるように感じます。

Kntr:この曲は私が作詞で、次の「The More I Feel」はmiracoなんですけど、「Lost Sight of You」の作詞にあたって、miracoにはコンセプト的なものは事前に伝えてて。その流れで歌詞を書いてくれたっていうのもあるので、上手いこと繋がってるのかなと思います。

miraco:特別意識したわけではないんですけど、かんちゃんが書いてくれた歌詞を受けて、自分の体験とか、そこに重なる感情を引っ張り出した感じですかね。

Kntr:あと、この指パッチンは揺らぎのメンバーのものではないんですよ。エンジニアの荻野さんが一番上手かったので、やってもらって。

Miraco:荻野さんにお願いしたら「分かった」って言って、嬉しそうに録音ブースに行ってくれました。笑

M7. The More I Feel

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miraco:客観的に見たら、“揺らぎのいいとこどりポップ・ソング”みたいな感じ。

Kntr:揺らぎっぽいですよね。

Yusei:サビがどこか分からん、っていうのが揺らぎっぽい。笑

miraco:サビ、分かりました?

── 正直、よく分かんなかったです。笑

一同:笑

Uji:僕はまだ「ここが本当にサビなのか?」って疑ってますけどね。

Yusei:サビでドラムが盛り上がってへんからな。フロアタムで刻むっていうのをやってみたかった。

Kntr:ドラムの入りも気持ちいいよね。

miraco:始まったらテンション上がる!

Kntr:すげぇリスナーの感想。笑

一同:笑

── 歌詞もいいですよね。“I’ll stumble once in a while / Life full of these ups and downs / But I believe where I go”って、マジでそうだなと思って。笑

miraco:その部分は、元々自分が書いてた歌詞にKazmaくんがアレンジを加えてくれてますね。

── 本当この通りですよ、人生は……。

miraco:どうしたんですか? 大丈夫ですか?笑

── やっぱりね、大変な時代をみんな経てますから。

miraco:確かにね。魔の時代をね。

M8. Because

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── イントロの荒々しい感じのベースが好きです。

Kntr:インパクトありますよね。それを狙ったっていうのもあるし。

Uji:イントロからあそこまで歪みをかけて弾くことって、なかなかないと思うんですけど。曲のコード自体もすごくシンプルで、ひずみの音色もレコーディングの時に決めたんですけど、最終的に雰囲気に合った仕上がりになって。聴いてて気持ちいいんですよね。ライブでどう鳴らすかっていうところは苦労してます。

Yusei:ベースから始まって、ドラムのハイハット・オープンでシャンシャンって。今までこういうのもなかったもんな。

Kntr:今までの我々ならやらなかった。

miraco:絶対「嫌」って言ってたと思う。でもメロディーはあまり起伏がないから、そこでプライドを保ってるという。笑

miraco:あと、これもタンバリンとシェイカー使ってるよね。

Yusei:楽しげな感じにしたかったんやな。

miraco:語彙力。笑

一同:笑

Kntr:この曲はアルペジオがありますね。2番から始まるアルペジオとシェイカーの組み合わせが良くて、そこが「ああオルタナや!」ってなる。笑 それと、アルバムで唯一、ギター・ソロでエフェクターを使ってて。ビッグマフを踏んでます。

miraco:歌詞については、意味のないものを作りたいと思って書いた記憶があるな。

M9. Jason

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1gi0rXbbzBmZNZsqXbDqFdjnFtdLZJOCk/edit#gid=22117139

Kntr:さっきも言ったように、アコギを使った揺らぎ流フォーク・ソングで。分かる人には分かると思うんですけど、コードがトラディショナルなフォーク進行になってるんですよ。Woody GuthrieとかBob DylanとかのUSフォークへのリスペクトを込めつつ、そこにmiracoのふんわりとした歌声とUjiくんのベースが重なって、揺らぎっぽいフォーク・ソングになったと思います。

Yusei:ドラムは不参加ですね。

miraco:お役御免。笑

── ちなみに、「Jason」というのは誰なんですか?

Kntr:多分、たまたまデモを作った時にジェイソンっていう人を映画か何かで観たんですよね。

Uji:唯一、デモのタイトルがそのまま採用されてる。

miraco:デモの段階では「タイプライターバーミヤン」とかいう曲名もあったので。

── ん? タイプライターバーミヤン……?

miraco:どの曲になったと思います?

── タイプライターバーミヤン……? タイプライターバーミヤン……。

Kntr:絶対分からんやろ。笑

Uji:めちゃくちゃ無駄な時間。笑

miraco:最終的に「Because」になりました。

── いや、全然違うやん。笑

Uji:「Jason」は「無意味な感じがいいよね?」っていう話でそのまま(デモのタイトルが)残った気がする。

Kntr:歌詞も特定の人に宛てたものだったりするので、名前をつけようということで「Jason」にした記憶があります。

M10. I Liked You Through The Veil

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1gi0rXbbzBmZNZsqXbDqFdjnFtdLZJOCk/edit#gid=1271553186

miraco:この曲は「アルペジオを6本重ねてます」って声を大にして言わないと!

Kntr:エンジニアの荻野さんも「どうしよう」って言ってました。笑 アルペジオを6本も重ねるってなかなかないと思うので。そういう部分では困らせた場面も多かったかもしれないけど……新しい取り組みをするって、そういうことだと思うので。まあ、一番大変だったけどね。人が弾いていいアルペジオの量を超えてたので。致死量のアルペジオ。笑

一同:笑

Kntr:飽きられるくらい録ったんですよ、アルペジオ。その重なりがあることでいろんな響きが楽しめる。耳をどこに集中させるかによって聴こえ方が変わると思います。

── シートを見るまでそこまで重なってるのを知らなかったから、あんまり意識してなかったんですけど、知った上で聴くと、また聴こえ方が全然変わってくる気がしますね。

Kntr:1本のアルペジオだけでは4分弱を突き通せなかったと思います。アルペジオを聴かせる曲って難しいと思うんですけど。

Uji:前のアルバムでもアルペジオってキーワードの一つだったと思うんですけど、この2年でかんたろうがさらに自分のものにして、最後の曲にこれだけの致死量をぶち込んだ、っていうのは僕の立場からするとかなり感慨深いものがあります。前作からの繋がりとか、成長した部分を感じられますね。

── ある種の集大成としてのアルペジオ。

Kntr:自分が受けてきたいろんな影響を、アルペジオを通して出せたのかなと思います。一つのジャンルだけを聴いてたら、こうはならなかったと思うし。

miraco:……でも、なんでアルペジオを6本も重ねようと思ったん? 1本だとしんどいとはいえ……ドMなん?

一同:笑

Kntr:必要だったんよ。6本のうち1つでも欠けたら、こういう曲にはなってないと思ってる。

miraco:マスターピースだそうです。

Kntr:表を見てもらうと、曲の終盤にかけてアルペジオが重なっていくのが分かると思うんですけど、そうやって終盤で完成されていく組曲みたいなのが好きで、結果的に6本になってました。

── オーケストラっぽいですよね。

Uji:それは確かに。

miraco:かんちゃん、指揮者別で曲を聴き分けてるって言ってたよな。

Kntr:ここ2年くらい、クラシックにめちゃめちゃハマってて。曲を聴くのはもちろんなんですけど、一旦曲を覚えてから、指揮者ごとに同じ曲を聴き比べるっていうのをやってて。

Uji:やばいじゃん?!

一同:笑

Kntr:例えば40分の交響曲をまず全部覚えて、指揮者とかオーケストラ別に何年の演奏がベストか考えるっていう。

Uji:戦わせてるの?

Kntr:そう。ポケカみたいに。笑

── すげえ。笑

miraco:『結婚できない男』ってドラマあるじゃないですか。彼の末路はそれです。

Kntr:クラシックの要素をバンドに取り入れるのは容易じゃないことは重々承知してるし、私も全然その境地には達してないので、まだまだこれからですね。

Uji:その境地に達したら解散するんちゃう?

一同:笑

Kntr:でもクラシックってさ、すごくない? 300年くらい前の曲をいまだに演奏してて、しかもそれが受け入れられてるんですよ。揺らぎの曲を2300年くらいまでいろんなバンドに演奏されてるって考えたら、とてつもないジャンルだなって。

miraco:確かに。もう宇宙の境地やね。

── では最後に、ありがちですがワンマンライブに向けた意気込みをいただけますか?

Miraco:新しいギターでライブするの超楽しみ〜!

一同:笑

── その気持ち、大事よ。

Uji:今回のアルバムがライブでどう聴こえるのか、自分たちとしても楽しみですね。既に何回かライブでやってる曲もあるんですけど、毎回一つのアルバムとしての完成度を意識してやってるバンドなので、それをワンマンで……これ、俺が喋る内容か?!

一同:笑

Uji:ワンマンが一番、アルバムをライブで体感できるイベントになると思うので、そういう意味では特別なライブだから楽しみだし、みなさんにも楽しんでもらえたらいいなと思いますね。

◯ 2023年4月16日 Zoomにて

■ Release

揺らぎ – Here I Stand

□ レーベル:FLAKE SOUNDS
□ リリース:2023/04/05

□ トラックリスト:
1. Here I Stand
2. Falling
3. I Wonder
4. You’re Okay (Hold Me)
5. Worthy of..
6. Lost Sight of You
7. The More I Feel
8. Because
9. Jason
10. I Liked You Through The Veil

*配信リンク:
https://friendship.lnk.to/Here_I_Stand

■ Live

Yuragi “Here I Stand” Release Event 2023

2023/05/05 Shibuya WWW (One Man Show)
OPEN 17:30/START 18:30
TICKET:¥3,900+1D
チケット:
https://eplus.jp/sf/detail/3433090001

2023/05/20 Nagoya CLUB UPSET (One Man Show)
OPEN 17:30/START 18:30
TICKET:¥3,500+1D
チケット:
https://www.jailhouse.jp/live/yuragi-here-i-standrelease-event/

2023/05/27 Shinsaibashi JANUS
w/ BROTHER SUN SISTER MOON
OPEN 17:30/START 18:30
TICKET:¥3900+1D
チケット:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2308271

Author

對馬拓
對馬拓Taku Tsushima
Sleep like a pillow主宰。編集、執筆、DTP、イベント企画、DJなど。ストレンジなシューゲイズが好きです。座右の銘は「果報は寝て待て」。札幌出身。