1991年にリリースされ、シューゲイズの金字塔を打ち立てたMy Bloody Valentineの2ndアルバム『Loveless』──2026年、MBVが実に8年ぶりの来日公演を開催し、11月には『Loveless』が35周年を迎える。
この節目に、Sleep like a pillowでは「re: my best shoegaze +」(アールイー:マイ・ベスト・シューゲイズ・プラス)と題した特集企画を不定期で連載。シューゲイズが多様化 / 細分化 / 要素化を繰り返し、広くシェアされた今、それぞれがシューゲイズをどう捉え、どう認識しているのか──原点となるアーティストや、フェイバリットに挙げる作品などを通して、改めて解き明かしていきたい。
第3弾は、名古屋発の3人組シューゲイズ・バンド、Blurred City Lightsで作詞 / 作曲 / アートワークなどを手掛ける神谷なな星(Vo. Ba. Key.)のセレクト。
*本記事は制作中のマガジン『pygmalion』の誌面にも掲載予定。Webでの先行公開となります。
https://camp-fire.jp/projects/960342/view
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■ TK from 凛として時雨 – flowering

Sony Music Associated Records | 2012年6月27日
私が “シューゲイザー” という単語を知る前に聴いていた「メンタルシュ〜ゲ」アルバムです。必要以上の耽美な暗さと儚さは激情のギター・サウンドと相まって壮大さを演出しており、TK名義にしかないピアノ・フレーズや、12弦アコギの独特な揺らぎが、真空のリヴァーブに乗って浮遊感の中にストーリー性を感じさせて、全曲で鳥肌が立ちます。私はシューゲイザーを聴いているとき、決まって宇宙や自然を感じることが多いですが、『flowering』は全曲にわたって淡い透明感のある空気が流れており、その空気の匂いまで脳裏に浮かんでくるくらい豊かな表現力、さすがTKすぎる。ファズの密度に相反する朧げな切なさを求めている人は、必聴です。
■ avengers in sci-fi – Disc 4 The Seasons

Getting Better | 2012年4月25日
100人に「このアルバムはシューゲイザーですか?」と聞いたら100人とも「いいえ」と答えるでしょうが、私にとってはシューゲイザーです。そもそも私は音の厚みと壮大さ、リヴァーブの美しさを聴くためにシューゲイザーを聴いていて、このアルバムにはその全てを感じるので、イコールです。要は「メンタルシュ~ゲ」ということです。3ピースでサーバー・ルームのような量の機材を操り、まさに宇宙を開拓しているような表現力は、彼らこそが宇宙飛行士と言っても過言ではないでしょう。特に推し曲は「Psycho Monday」、「Sonic Fireworks」です。サビの広がりと空間、音の厚みはまさに宇宙。その音の規模の大きさに、毎回自分の小ささを実感しますね。
■ mao sasagawa – Graduation

Doused Records | 2018年6月6日
笹川真生のmao sasagawa名義時代のアルバム。早めのテンポで折り重なるようにギター・フレーズが重ねられた曲が多く、その多くにグズグズに潰れたファズや広がりのあるリヴァーブがのっています。少しフックのあるメロディが特徴の作曲家で、歌詞も鬱っぽいものが多いです。その作り手の繊細さが初音ミクのか細い声で紡がれることで、今にも消えてしまいそうな儚さを曲全体に感じます。シューゲイザーは音の厚みで物理的に耳を包み込みますが、それと共に、自分の柔らかな心の表面をそっと包んでくれるような気がしています。このアルバムで特にその包み込みを感じるのは「i was」、「フロイデ」、「深海で待っているね」、「mentir」、「エイプリル」、「what’s your poison?」の5曲です。聴けば私の言っていることが分かりますので、聴いてください。
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■ 神谷なな星(Blurred City Lights)の3枚

TK from 凛として時雨 – flowering
avengers in sci-fi – Disc 4 The Seasons
mao sasagawa – Graduation
■ Profile

Blurred City Lights
神谷なな星(Vo. Ba. Key.)
恵(Gt.)
大橋琉馬(Dr.)
2022年、名古屋にて始動したシューゲイズ・バンド。J-POPに強く影響を受けたキャッチーなメロディーと、古今東西のシューゲイズ、ポスト・ロック、アンビエントなどの要素を含んだサウンドを奏でる、気鋭の3人組。2024年2月に1stフルアルバム『天使のいない街で』、2025年2月に2ndフルアルバム『Utopia / Dystopia』をリリース。レコーディング、ミックス、マスタリング、さらにアートワークやマーチに至るまで全てセルフ・プロデュースで手掛ける。

Lucid Express Japan Tour 2026
2026年9月30日(水)東京 新宿MARZ
[出演]
Lucid Express
Blurred City Lights
Luby Sparks
Author


