壊れてしまっても、新しい姿で生まれ変わる──海の散歩が1stフルアルバム『リペア』をリリース

東京を拠点に活動する2人組ドリーム・ポップ／インディー・ポップ・ユニット、海の散歩が1stフルアルバム『リペア』を2025年8月27日（水）にリリース。併せて収録曲「僕らという体験」のミュージック・ビデオも公開した。

海の散歩は、2022年の終わりに美音（Vo.）と郷古（Gt.）の2人によって結成されたユニット。宅録での音源制作を中心に活動しており、ライブは2人の弾き語りセット、サポート・メンバーを迎えたバンド・セットなど、様々な形態で行っている。2024年1月には “追憶” をテーマに制作された1st EP『僕らのオールシングスマストパス』を配信リリース。同作は香港のbvbvhoo recordsよりCD化された。Galileo Galileiや宇多田ヒカル、松田聖子といった、自らの影響源となっているアーティストのカバー曲も多数発表している。

記念すべき1stフルアルバムとなる『リペア』は、“蓋をした悲しみを思い出すこと” をコンセプトに、レコーディングからミックス／マスタリングに至るまで、全て宅録によるセルフ・プロデュースで制作。Porter Robinsonをはじめ、Homecomings、Galileo Galilei、宇多田ヒカル、青葉市子、SILICA GEL、The 1975など、J-POPやドリーム・ポップ、インディー・ポップ、インディー・ロックを影響源／出発点としながら、ピアノやアコースティック・ギター、さらにはノイズ、ゲーム・ミュージックといった要素を様々な形で取り入れ、特定のジャンルを超えた自由なアプローチを展開する作品に仕上がった。

軽快かつジャングリーながらもどこか内省的な「僕らという体験」から始まり、美音の伸びやかなヴォーカルとコーラスがとりわけ印象的な「ありふれた縫合」、弾き語りセットでの表現をより追求し、ピアノの優しい旋律とギターの轟音が美しく重なり合う「ケーキとトロイメライ」、ポップなメロディーと間奏で鳴らされるグリッチノイズのコントラストが鮮烈な表題曲「リペア」、靄がかかったような音像が過剰なほど幻想的な「彼岸」、下北沢mona recordsの名物企画に向けて書き下ろされたドリーミーな「For MÅNGATA」など、多様な全10曲を収録。郷古によるバラエティに富んだ細やかなギター・ワークも随所にこだわりが感じられ、作品世界をより強固なものにしている。

現実から夢へといざなわれ、かと思えば夢から引き剥がされ再び現実へと戻されていく。日常と非日常、自然と不自然を往来し、その境界線や記憶そのものが曖昧になっていくような没入感は、本作における最大の特徴となっている。そして全編を通して聴かせる、これまで以上にナチュラルでまっすぐな美音の歌声は、傷ついた者を慰撫するように響く。壊れてしまっても、新しい姿で生まれ変わることができる──時間という不可逆性を受け入れ、悲しみや喪失の果てにあるものをそっと抱きしめる。そうした強さを誰しも持っていることに気づかせてくれる1枚。

■ 海の散歩 コメント

破損した後、元に戻る形をなくしたとき、何をもって修理と言えるだろう？と考えたことをきっかけに、「リペア」という言葉をアルバムのタイトルに選びました。

歌詞も音も、制作時期に夢に出てきた、自然の中を歩いてるような日常とゲームのような非日常が混ざった風景や雰囲気を反映しようとしたため、そういった意味でもドリーミーになったと思います。

「ケーキとトロイメライ」は、2人で弾き語り演奏したときのような、海の散歩というグループの空気感がより反映された曲になったと思いますので是非聴いてほしいです。

──郷古（Gt.）

自分の中では “初めて” が詰まった一枚であり、一歩ずつ成長を重ねながら、今の自分の雰囲気を自然体の歌い方で表現できた作品になったと感じています。

──美音（Vo.）

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