Best Shoegaze Singles 2020

Feature

一年間の総まとめとして、その年にリリースされたシューゲイザーおよびドリームポップなど周辺ジャンルの作品を一挙に紹介する「Best Shoegaze Albums」企画。好評だった2019年に続き、今年も「Best Shoegaze Singles 2020」「Best Shoegaze Albums 2020」と題し、より充実した内容でお届けしたい。

「Best Shoegaze Albums 2020」はこちら。

今回は、2020年にアルバムおよびEP作品を発表していないアーティストの注目すべきシングルをリリース順に並べ、「Best Shoegaze Singles 2020」としてまとめた。ライター二名によるコメント付きで紹介する。

text by おすしたべいこ osushitabeiko / 鴉鷺 aro


Flyying Colours – Big Mess

Label – Poison City Records
Release – 2020/02/07

オーストラリア・メルボルンを拠点に活動するシューゲイザー・バンド、Flyying Coloursの最新シングル。爆音と男女ツイン・ヴォーカルで突き進む、アタック感の強いシューゲイズ・サウンドが眩しい。(osushitabeiko)


Film School – Swim

Label – Hauskat Records
Release – 2020/02/07

アメリカ・カリフォルニア州のロサンゼルスとサンフランシスコ出身のメンバーから成るインディーロック・バンド、Film Schoolの最新シングル。シューゲイザーが持つ神聖さと不穏さを感じられる「Is This a Hotel?」とサイケな雰囲気の「Don’t You Ever」という毛色の異なる2曲を収録。次作への期待が高まる。(osushitabeiko)


Alcest – Sapphire (Perturbator Version)

Label – Nuclear Blast
Release – 2020/03/06

フランスを拠点に活動するブラックゲイズ・バンドの代表格であるAlcest(アルセスト)のシングル・トラック。最新作『Protection』収録の楽曲に同じくフランス在住のダークウェイヴの作家であるPerturbatorがリミックスを施している。原曲のダークな色合いにサイバーパンク的なPerturbatorの世界観がはまった秀逸なリミックス。(aro)


Far Caspian – Today

Label – Dance To The Radio
Release – 2020/03/10

UK・リーズを拠点に活動するドリームポップ・バンド、Far Caspianによるシングル・トラック。旧作と同じく洒脱で日常に寄り添うようなドリームポップ。フルアルバムへの期待が高まる。(aro)


Japanese Heart Software – Drag

Label – ?
Release – 2020/04/02

オーストラリア・メルボルンを拠点に活動するNat Chippyによるドリームポップ・プロジェクト、Japanese Heart Softwareの最新曲。跳ねるように刻まれるドラムの上で、幻想的なギターと冷たいガラスのようなヴォーカルが揺らめく絶品シングル。ちなみに彼女はAnimal Ghostsの最新アルバム『Wail』収録の「Syringes」にゲスト・ヴォーカルとしても参加している。(osushitabeiko)


Slow Crush – Reel

Label – Self Released
Release – 2020/04/03

ベルギーを拠点に活動するシューゲイザー・バンド、Slow Crushのシングル。前作のグランジの影響を受けたへヴィー・シューゲイズ路線からドリームポップ的な方向性に移行した名シングル。スローな陶酔感と依然として健在でへヴィーなギターが冴え渡っていて、次作への期待が高まる内容となっている。(aro)


ノウルシ – Good-bye My Bloody Days

Label – Self Released
Release – 2020/04/18

東京を拠点に活動するシューゲイザー・バンド、ノウルシのシングル。偉大な先人の名をもじった曲名から想起されるように、彼らなりのシューゲイザーへの回答とも取れる轟音が美しい。サビで突き抜けるハイトーン・ヴォイスに心を締め付けられる。アウトロで踊るベースラインも印象的。(osushitabeiko)


Downward – 2 Songs

Label – New Morality Zine
Release – 2020/05/27

アメリカ・オクラホマ州を拠点に活動するシューゲイザー・バンド、Downwardのシングル。持ち味のハードコアを経由したダウナーなシューゲイザー・サウンドは健在で、名盤1stと比較するとよりポップになった印象を受ける。「Your Way」が素晴らしかった。(aro)


Thud – Hotel 65

Label – Self Released
Release – 2020/05/29

香港出身のドリームポップ/シューゲイザー・バンド、Thudのシングル。東洋的な艶やかさを醸しながら、直球の轟音シューゲイズ・サウンドを鳴らす佳作。2月にリリースしたシンセ・ポップ・シューゲイズ「North Action」も打点が高い。(osushitabeiko)


The Radio Dept. – You’re Lookin’ at My Guy

Label – Just So!
Release – 2020/07/03

スウェーデン・ルンド出身のドリームポップ/シューゲイザー・バンド、The Radio Dept.の最新シングル。北欧の冷たくも穏やかな風を運ぶような、どこかノスタルジックなサウンドは健在。今作を含め2020年だけでも三作のシングルをリリースしており、アルバムへの期待も自ずと高まる。(osushitabeiko)


Eaves Wilder – Won’t You Be Happy

Label – Little Cousin Records
Release – 2020/07/09

UK・ロンドン出身、16歳のシンガーソングライターであるEaves Wilderのデビュー・シングル。まだ幼さが残るエンジェリックなヴォーカルとリバーブの効いたシューゲイズ・ギターが眩しい。ちなみに11月にリリースした「In and Out(and Out Again)」も、コーラスとピアノの旋律が美しいドリームポップに仕上がった佳作。(osushitabeiko)


Boshe – Daydreamer

Label – ?
Release – 2020/07/17

UK・リーズを拠点に活動するドリームポップ・アーティスト、Bosheの最新シングル。ひたすらドリーミーで幻想的なドリームポップで今後の活動が楽しみな内容。アクセントとしてのシンセ・ポップの要素が美しい。(aro)


The Stargazer Lilies – Creep

Label – Self Released
Release – 2020/09/01

Soundpoolのメンバーによるニューヨークのシューゲイザー・バンド、The Stargazer Liliesのシングル。Radioheadの名曲「Creep」をめくるめくシューゲイズ・サウンドでカバー。シューゲイザーに取って代わるように登場した当時のブリットポップ・シーンの代表格であるRadioheadの楽曲を、こうしてカバーすることについて色々と考えてしまう。なかなか感慨深くもあり、少し皮肉めいたものがあるような気もする。(osushitabeiko)


Airiel – Bloom

Label – Self Released
Release – 2020/09/04

アメリカ・イリノイ州シカゴ出身のシューゲイザー/ドリームポップ・バンド、Airielの最新シングル。『Molten Young Lovers』の系譜を引き継ぐ煌びやかでドリーミーなギターの音色が美しいが、どこか冬の空気感をまとっていた同アルバムに比べ、開放的で突き抜けるような音像に仕上がっているのが印象的。中盤で唸りをあげるギターの轟音で青空へ逆ダイブできそうだ。(osushitabeiko)


killmilky – 白昼夢
killmilky – 白昼夢

Label – Self Released
Release – 2020/09/20

元BiSの小森まなこ率いる東京のシューゲイザー・バンド、killmilky(キルミルキー)のシングル。音源はYouTube上のMVのみ。つんのめるような疾走感と暴力的な轟音シューゲイズで夏の幻影を見せるキラー・チューン。サウンドとは裏腹にサビのふにゃっとしたヴォーカルで脳が溶け出すような心地さえ覚える。今最もフルレングス作品を渇望するシューゲイザー・バンドのひとつ。(osushitabeiko)


Still Dreams – Ultra Doomed

Label – Elefant Records
Release – 2020/10/16

大阪のシューゲイザー/ドリームポップ・バンドとして知られるJuvenile Juvenileのメンバーによるシンセポップ・デュオ、Still Dreamsの最新シングル。スペインのレーベルであるElefant Recordsへの移籍作。コズミックなシンセポップを奏でる表題曲「Ultra Doomed」と、Juvenile Juvenileを彷彿とさせる高音ギターリフが憎い「Envy」の2曲を収録。通底する美意識とポップセンスが光る。(osushitabeiko)


Orange Hell – Three More Hits From…

Label – Funeral Party Records
Release – 2020/10/26

Funetal Party Recordsからシングルのリリースを続けるドリームポップ・バンド、Orange HellによるThe Misfitsのカバー集。ゴスなパンクロックである原曲のドリームポップ/チェンバーポップ的な再解釈。アルバムのリリースが待ち遠しい。(aro)


Underdark – Plainsong / With Bruised & Bloodied

Label – Surviving Sounds / Red Nebula Records
Release – 2020/10/30

UK・ノッティンガムを拠点に活動するブラックゲイズ・バンド、Underdarkのシングル。一曲目のThe Cureのブラックゲイズ文脈での再解釈からぶっ飛ばされる内容で、今年のブラックゲイズのシングルでも特に際立つ内容。名シングル。(aro)


Lucid And The Flowers – In the mood for love

Label – Voodoo Rose
Release – 2020/11/07

東京を拠点に活動するドリームポップ・バンド、Lucid And The Flowersの2ndシングル。傑作EP『RECAPTURE』に連なる作品であり、50年代への憧憬と優しさと愛に溢れた名シングル。今後の創作活動が本当に楽しみな一曲。(aro)


Sicayda – Deeper In

Label – ?
Release – 2020/11/13

カナダ・オンタリオ州を拠点に活動するシューゲイザー・バンド、Sicaydaのシングル。グランジの影響下にある直球の轟音シューゲイザーで、今年のBandcampで見つけたシングルだと群を抜いて素晴らしかった。EPのリリースがアナウンスされており、このシングルも収録されるらしい。(aro)


Misty Coast – Do You Still Remember Me?

Label – Fysisk Format
Release – 2020/11/27

ノルウェーのシューゲイザー・バンドであるThe Megaphonic Thrift(メガフォニック・スリフト)のLinnとRichardによるドリームポップ・デュオ、Misty Coastの最新シングル。折り紙のようなジャケットが印象的だが、サウンドもどこか東洋的な趣のあるドリームポップに仕上がっている。甘美な雰囲気は相変わらず。(osushitabeiko)


prewords – hollow

Label – Self Released
Release – 2020/12/10

東京を拠点に活動するシューゲイザー・バンド、prewordsの4thシングル。高BPMかつ幻想的なシューゲイザーで、美しい始まりからラストの轟音まで心を鷲掴みにされる内容だった。ハイトーンのヴォーカルが美しい。(aro)


Hayien – Acracy

Label – Abyss of Light Records
Release – 2020/12/15

アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスを拠点に活動するシューゲイザー・バンド、Hayienのシングル。サイケデリック・ロックやグランジの影響を掲げる通り、ポストグランジ的なシューゲイザーが展開されていて爽快でへヴィーな音楽性に撃ち抜かれた。優れたシングル。(aro)


Spirit System – Ensilver

Label – Self Released
Release – 2020/12/18

アメリカ・ノースカロライナ州を拠点に活動するシューゲイザー・バンド、Spirit Systemのシングル。オールドスクールなロックのメロディセンスを感じる楽曲がドリーミーな轟音を持って展開される優れたシングル。(aro)

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