Posted on: 2020年3月18日 Posted by: 鴉鷺 Comments: 0

Label – Triple Crown Records 
Release – 2018/09/14 

アメリカ・アリゾナ州出身のポストロック・バンド、Holy Fawnの2ndアルバム。その名を世に知らしめることになった傑作。

ポストロックとシューゲイザー、ブラックメタルの審美的マッシュアップとでも言うべき完成度の高い音響と楽曲を堪能できる。静寂と轟音のコントラストがとにかく美しく、ポストロックの高度な楽曲展開の影響と、シューゲイザーとブラックメタルの折衷の結果生まれた音響が核にあるようで、それと同時にBlack Tape For Blue Girl等のエセリアル・ウェイヴ勢や一部のポストパンクとの近似性がある異端的な聖性を称えた楽音は、「ブラックメタルの自浄」というブラックゲイズの大きな主題を象徴しているようにも思える。「Arrows」終盤のデスヴォイスと透徹した轟音を聴けば、彼らの魂がブラックメタルにあるのは明白だ。

text by aro

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鴉鷺
鴉鷺Aro
大阪を拠点に活動する音楽ライター/歌人/レーベル主宰者。Sleep like a pillowでの執筆や海外アーティストへのインタビューの他、遠泳音楽(=Angelic Post-Shoegaze)レーベル「Siren for Charlotte」を共同オーナーとして運営し、主宰を務める短歌同人「天蓋短歌会」、詩歌同人「偽ドキドキ文芸部」にて活動している。好きなアニメはserial experiments lain、映画監督はタル・ベーラ。