Posted on: 2020年11月9日 Posted by: 對馬拓 Comments: 0
■ 逆に自分たちで弾いたり歌ったりすることに対して情を持つことが妥協

- 新型コロナウイルスがアルバムの制作に何か影響を与えたりしましたか?

直接的には、特別コロナだったから書いたような歌詞はないと思います。コロナだったから書けたものはあると思うんですけど。でも、さっきも言ったように著名な方が亡くなったりして、負のオーラが漂ってるじゃないですか。それがノイズに直結したし、誰かに手を差し伸べる余裕もない時代だからこそ、手を差し伸べるような作品にしようとは思わなかった。だから、そういう部分では無意識にコロナの影響を感じていた自分がいたのかもしれない。アルバムを作るにあたって、最初はデータでやりとりしていたので、ほとんどメンバーと会ってなかったんですよ。マシン・ビートを使ったりしたのは、そういう部分が大きいのかな。歌が入るだけで人肌を感じるじゃないですか。だから、サウンドは冷たくしなくちゃいけない。でも歌は人間が0から100まで歌ってるので、その中和性というか、それが今の時代とフィットしたのかもしれない。

- 普遍性も大事だと思うんですけど、その瞬間にしかできない音楽にもすごく価値があると思うんですよね。

分かります。音楽って価値が全てというか。このアルバムがヒットチャートに食い込むようなことは、余程のミラクルがないと起こらないとは思うんですけど、時代が過ぎて仮に評価された時に、2020年に作られたっていうことに価値があるのかもしれない。それが今の僕らのアイデンティティで、その時その時を切り取るのが僕らのやり方でもあるし、自主レーベルのあるべき姿かなと。

- データ上でやりとりしていたということですが、実際に顔を合わせるのはもう曲が出来上がるタイミングなのでしょうか?

僕がデモの段階で全パートをざっくり作るんですけど、そうやってなんとなく形になってから、レコーディングの一週間くらい前に集まるのが顔合わせのタイミングですね。でも、やっぱり実際にメンバーで合わせると、なんとなく違うからここは変えた方がいい、っていうのがある。そこで、データでやるべき部分と、人間としかできない部分みたいなのがあることに気づいて。それが今回の面白かったところかな。デモの段階では打ち込みだったけど、レコーディングは生ドラムで叩いてみようか、みたいな。逆に、この質感は打ち込みであるべきだよね、っていう瞬間もあったりして。以前と違ってメンバーそれぞれ感じたのは、作品が良くなるなら手法を選ばないこと。それが、今回のコロナ禍で得た産物だった気がします。

- 変なこだわりをなくした、と。

人が演奏するところはライブで観てくれればいいので、そこにこだわらないというか。僕ら四人が提示したいことは音源が全てだと思うので。自分が何かをしないことは妥協ではなくて、逆に自分たちで弾いたり歌ったりすることに対して情を持つことが妥協だと思うんですよ。それが今回の作品には全くない。ちゃんと自分たちのやりたいものを届けることが、僕らのやるべきことなので。

■「愛しい」っていうのは、終わりが見えているからこそ直結する

- 今作で一番気に入ってる曲は何でしょうか。

時期によって変わるんですけど、僕は「残火」と、最後の「点と線」かな。「点と線」は、『FLOWERS』の質感を残しつつ、インダストリアル的なアプローチもあり、歌詞もボクシングでいうストレートを自分が当てたいところに当てられた歌詞を書けました。特にBメロの「愛しいことが虚しい/愛の形は三角です」っていうところですね。

僕、犬を飼い始めて。笑 それで思うんですけど、「愛しい」っていうのは、終わりが見えているからこそ直結するんですよ。何かに対して愛情を持つということは、それがずっと続くものだとそれほど情が深くならないと思うんですけど、終わりが見えているからこそ、自分の何かを殺してまでその対象に自分の気持ちを向けたりする。それを三角形に例えたんです。三角形って、切り取り方によって対照的にも非対称的にもなるし、角が増えたりもする。自分の感情を切り取ることで角が増えていくということを、三角形に例えられたことが、自分にとって大事に思えました。

- 愛犬の存在、めちゃくちゃ大きいですね。

大きいですよ、もう。「早く帰りたい」っていつも思いますもん。笑

- 笑

彼らの一日って、よく人間の一週間に例えられるんですよ。だから、僕が感じている一日を一週間に例えることができたら、どれだけ素敵なんだろうって。それが愛情だと思います。それと同じように、バンドに対しての愛情も分かるようになってきた。バンドって、絶対一生続くものではないんですよ。誰かが死んだりもするし、事故に遭って演奏できなくなったりするかもしれない。だからこそ、今をもっと大事にしたいなと思います。

- とてもいい話が聞けました。最後に、『Four For Fourteen』を制作する上で、具体的なリファレンスとなったアーティストはいますか?

インダストリアル系だと、Nine Inch Nails、Ministry、Skinny Puppy。他にはEnya、Sigur Rósとか。My Bloody ValentineとかCocteau Twinsは、それに引っ張られるので絶対聴かないようにしていました。日本だったら、鬼束ちひろ、松任谷由美、plenty。米津玄師にもかなり影響を受けました。色濃く出たのはその辺かな。あとBillie Eilishめっちゃ聴いてた。笑 Pixx、The Nationalも聴いてました。

-「このフレーズがいいよね」など、そういう話を制作中にメンバーとしましたか?

それはなかったと思います。でも、Throbbing Gristleのエレドラ(エレクトリック・ドラム、電子ドラム)が大好きで…ハイハットを16ビートでツクツクツクって刻むんですよ。それを、今回は結構入れてます。あと、久石譲もめちゃくちゃ聴いてたんですけど、最初、今回のアルバムは「ジブリにしたい」ってチームに言ってたんですよ。笑 でも、結果そうはならなかった。ただ、変なこだわりで、歌のハモリに「4度ハモリ」っていうのがあって、久石譲が曲のフレーズでめっちゃ使うんですよ。それは今回ほとんどの曲で使ってますね。

- かなり幅広いですね。いい意味で統一感がない。

統一感は必要ないですもん。笑 色々な人に聴いてもらえる要素があったらいいなっていうのもあるし。自分で歌ってるし、自分たちで作ってるので、結局まとまってしまうのがバンドのいいところで。それが楽しくもあり、悔しくもあるんですけどね。

<2020年9月30日 下北沢・Blue Mondayにて>

photo by Hideya Ishima

Infomation

polly
2nd Album『Four For Fourteen』
2020.11.04 (wed) Release

遠い風景にあるようで現実の 2020 年に鳴っている音。
この手で触れたくなる言葉、人間性を持った一枚。
この作品は polly というバンドのこれまでの結晶であり、これからの冒頭である。
自主レーベル”14HOUSE.”から初のアルバム。

1.Slow Goodbye
2.残火
3.狂おしい (corruption)
4.14HOUSE.
5.ヒカリ
6.知らない (somewhere)
7.ROOM
8.刹那 (canon)
9.言葉は風船 (hope)
10.CREA
11.点と線

Labal:14HOUSE.
14HS-0014
CD:¥2,500+tax
DL:¥1,800

Streaming & DL
https://friendship.lnk.to/FFF

2nd Album『Four For Fourteen』Special Site
https://www.polly-jp.net/fff

■MUSIC VIDEO

「Slow Goodbye」Music Video

「残火」Music Video

2nd Album『Four For Fourteen』Trailer

■LIVE

polly one man 「Fourteen House」
2021年1月31日(日) 渋谷WWW
open18:00 start19:00 Adv¥2,800+drink

詳細はオフィシャルサイトにて
https://www.polly-jp.net/live

■LINK

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polly(ポーリー)

Vocal / Guitar / Programming
越雲龍馬 Ryoma Koshikumo

Guitar / Synthesizer
飯村悠介 Yusuke Iimura

Bass
須藤研太 Kenta Sutou

Drums
高岩栄紀 Hideki Takaiwa

越雲(Vo,Gt,Pg)を中心に 2012 年宇都宮にて結成された4人組。海外の様々なジャンルを消化したサウンドとJ-Popにも精通する耳馴染みの良いメロディを軸とし、リリース毎に変化を見せている。2020 年、自主レーベル“14HOUSE.”を設立。レーベル初作品となる2nd Album『Four For Fourteen』を11月4日に発売する。